ENEOS スーパー耐久シリーズ2023 Supported by BRIDGESTONE 第6戦岡山国際サーキット

ENEOS スーパー耐久シリーズ2023 Supported by BRIDGESTONE 第6戦岡山国際サーキット

OCOTOBER 19- 20 [THU/FRI] FINE / DRY - CROUDY&RAIN / WET
Practice

2023年のスーパー耐久シリーズは残すところ2戦。
シリーズ第6戦の舞台は、岡山県の岡山国際サーキットだ。
コース長も短く、グループ1/2と分かれての3時間レースで戦うことになる。
シンティアム アップル KTMは第1戦鈴鹿こそトラブルで失ったものの、その後は3連勝を飾りシリーズをリードしているが、ライバルとなる#47 アストンマーティンもポイントでは僅差。
最終戦まで気を抜けない戦いが続く。
そんな一戦に向け、チームは今回もDドライバーとして吉本大樹を継続して登録。基本的にレースを戦う予定はしていないが、バックアップとして井田太陽/加藤寛規/高橋一穂の3人の走りを支えていくことになった。
迎えたレースウイークは10月19日(木)に行われた午後1時20分からの1時間、午後3時45分からの1時間という2回の特別スポーツ走行で幕を開け、まずは加藤がドライブしセットアップを進めていき、10月20日(金)は午前11時から行われた専有走行で井田と高橋がドライブしていった。
ただ、ここ数戦と同様高橋のタイムがいまひとつ良くない状況だ。
「今回は3時間レースで均等割りで戦う予定ですが、高橋さんのペースが重要になりますね」と渡邊信太郎エンジニア。
ただ、予選日となった10月21日(土)の午前10時20分から行われたフリー走行では、その課題も改善方向に進んでいった。

OCTOBER 22 [SUN] FINE / WET- DRY
QUALIFY
10月21日(土)のフリー走行は、事前の天気予報では晴天だったものの、どんよりとした曇り空で行われた。
ただその後、当初の予報にはなかった雨が降り出し、一時強く降ったことから、路面はウエットコンディションとなってしまった。
その後すぐに晴れ間も出たことから、急速に路面が乾いていく難しいコンディションだったが、5分遅れでスタートしたAドライバー予選で井田が1分35秒013という好タイムを記録。
「タイヤをうまく温められました」とST-X車両をも上回るタイムを記録する。
今回の公式予選はテスト的な要素を含み、通常とは異なりAドライバー予選の後、Cドライバー予選、Dドライバー予選が行われた。
Cドライバー予選では高橋が1分38秒041、さらにDドライバー予選ではこの週末初めてドライブした吉本大樹が走り、1分36秒609を記録した。
午後4時25分から行われたBドライバーに出走した加藤は、すっかり乾いた路面のなかで1分34秒289を記録。
合算で#47 アストンマーティンを上回り、クラスポールポジションを獲得した。
OCTOBER 22 [SUN] FINE / DRY
RACE
迎えた10月22日(日)の岡山国際サーキットは秋晴れとなり、午後1時30分からグループ1の決勝レースを迎えた。
今回もスタートを務めたのは井田だ。
1周目、井田は#47 アストンマーティンの先行を許してしまうと、その後ややペースに苦しみ、少しずつギャップを広げられていってしまった。
この岡山では#47 アストンマーティンのペースが良く、その差は20周を終えると9.569秒に。
とはいえ、ここでいかに差を保つかがレース後半に繋がってくる。
井田は必死の走りで10秒以内にギャップを保ったまま、#47 アストンマーティンを追っていった。
井田は1時間10分以上の長いスティントをしっかりと走り切り、#47 アストンマーティンの1周後となる40周を終えてピットインを行う。
ここで高橋にステアリングを託したが、#47 アストンマーティンはピット作業に時間がかかったことから、この間に高橋は#47 アストンマーティンを先行してみせる。
ただ、井田が序盤苦しんだのと同様、その後の高橋のペースが厳しい。
「今日は良くなかった」と高橋が悔しがったように#47 アストンマーティンにふたたび先行を許してしまうと、その差が拡大してしまった。
高橋はその後も粘りの走りを続け66周までこなしピットインすると、加藤に最後のスティントを任せた。
一方の#47 アストンマーティンもアンカーにジェントルマンドライバーを起用するかと思われたが、展開もあってかDドライバーのプロを起用。さらにタイヤ交換を行わず、『勝ち』を狙う作戦を敢行してきた。
残り50分を切って、クラス首位は#47 アストンマーティン、そして2番手には24.490秒差で加藤が駆るシンティアム アップル KTM。
加藤がどれほどギャップを縮めていけるか……!?
レースは終盤に向けて息詰まる展開となっていった。
加藤はジワジワとそのギャップを縮めていき、3時間レースの残り30分となったところで、その差は10秒を切っていく。
ストレート1本分だ。
その差を一気に縮めていった加藤は、残り23分となる94周目、ズバリと#47 アストンマーティンオーバーテイクする。
ただこの頃、#47 アストンマーティンはパワステにトラブルを抱えており、その後ガレージインしてしまったことから、シンティアム アップル KTMの優勝が確定することになった。
最終的に#47 アストンマーティンがチェッカーのみを受け2位でフィニッシュしたことで、チャンピオン決定は最終戦に持ち越された。
完走すれば王座という優位で最終戦に臨めるが、チームは勝ってタイトルを決めるべく、全力を尽くす。
DRIVER COMMENTS
Taiyo IDA 井田 太陽
「序盤からライバルのスピードが速く、僕たちのペースもそこまで上げられることができませんでした。
スティント後半ではもう少し追いつきたかったのですが、苦しかったですね。
とはいえ、なんとか大きく差をつけられずに良かったです。
結果的に勝てたのも良かったですね。
あとは完走できればチャンピオンを獲れるとのことなので、気持ちとしてはかなり楽になりました。
最終戦も頑張りたいと思っています」

Hiroki KATO 加藤 寛規
「今日は“負けたな”と途中までは思うくらいでしたが、結果的にあちらにトラブルがあったので、もう少し最後までちゃんとレースをしたかったですね。たとえ負けたとしても、レースを頑張ることが大事ですから。そういう意味では、井田選手も高橋選手もすごく頑張ってくれていたので、内容は悪いものではありませんでした。最終戦はクルマとの相性も良いと思うので、ミスなく勝てればと思います」

Kazuho TAKAHASHI 高橋 一穂
「勝てて良かったというのが本音でしたね。今回自分のスティントはぜんぜんダメでしたから(苦笑)。優勝できたのは本当にチームのみんなのおかげですね。それに尽きると思います。これでチャンピオン争いで優位に立つことができましたが、最終戦はここよりも我々に合っていると思います。完走すればチャンピオンだそうですが、そういう戦いはせずに、ちゃんとレースの優勝を目指して、勝って決めたいです」

Hiroki YOSHIMOTO 吉本 大樹
「今回ライバルがとても強く、決して楽な展開ではありませんでした。結果的に勝つことができましたが、ライバルが最後に無交換、プロを投入という勝つための戦いをしてきたので、最後までレースを戦いたかったですね。あちらの不運で勝つことができましたけど、この優勝は僕たちにとっては大きいと思います。チャンピオンは決まりませんでしたが、次戦も手を抜かず、しっかり勝ってタイトルを決めたいですね」

Round.6 RESULT