JULY 6-7 [THU/FRI] FINE / DRY
Practice2023年のスーパー耐久シリーズは、第２戦富士SUPER TEC 24時間レースから１ヶ月強のインターバルで、第３戦スポーツランドSUGOを迎えた。
シンティアム アップル KTMは大きなポイントが得られる第２戦富士を制し、ランキングでもトップに浮上することになったが、ライバルである#47 アストンマーティンとの差はわずか。
シリーズ中盤戦へ向けイニシアチブを握るべく、３時間のセミ耐久で争われる第３戦に臨んだ。
レースウイークの始まりとなる７月６日（木）のSUGOは、初夏ながら気温が35度に近づこうかという酷暑のなかで迎えた。
この日は25分の特別スポーツ走行が３回に渡って行われたが、初日は吉本大樹だけがサーキット入り。
ブレーキの焼き入れ等の作業を行い初日を終えることになった。
走行２日目となる７月７日（金）からは、井田太陽、加藤寛規、高橋一穂の３人がサーキット入り。
暑さが続くなか、午前の専有走行１回目は高橋から走行を重ねていくと、井田へと交代。
午後の専有走行２回目は加藤と井田が走行を進めていった。
この日は結果としては１回目は#47 アストンマーティンに対しマージンがあったものの、２回目は僅差で上回られてしまうことに。
前戦から使用されているブリヂストンタイヤの使い方、また高橋がいまひとつ感触が悪く、まだまだ課題は多いことを感じさせた。
JULY 8 [SAT] RAIN / WET
QUALIFY２日間の走行を経て、迎えた７月８日（土）の予選日は、朝から雨によりウエットコンディションとなった。
時折強く降るなか、シンティアム アップル KTMは今回初投入となったブリヂストンのレインタイヤを試しながら加藤と井田がドライブ。
１分36秒824というタイムを記録した。
その後雨は止み、路面は少しずつドライコンディションに転じていくが、午後１時45分からの公式予選は時折雨が舞う難しいコンディション。
そんななか、Ａドライバー予選に臨んだ井田は１分26秒482という好タイムを記録する。
ただＢドライバー予選では、タイムスケジュールの急遽の変更がチームに伝わっておらず、不運な罰金のペナルティを課されてしまう。
ただ、順位に関係するペナルティではなかったのは不幸中の幸いだった。
Ｃドライバー予選では吉本が、Ｄドライバー予選では高橋がドライブし無事に予選を締めくくることになったが、この日も高橋の感触があまり良いものではなく、高橋は車載映像やロガーなどを見直し、ドライビングを煮詰めていくことになった。
JULY 9 [SUN] CROUDY / DRY
RACE
７月９日（日）、午前に行われたグループ２の決勝レースの後、シンティアム アップル KTMが出走するグループ１の決勝を迎えた。グループ２の決勝後、スポーツランドSUGOは強い日射しが注ぎ酷暑となったものの、グループ１の決勝が行われる午後１時55分を前に雲が広がり、わずかに雨が舞いはじめた。
すぐにコースが濡れる状況ではなかったが、スタートドライバーを務めた井田は序盤からST-Z車両をかわしながらポジションを上げていくが、後方からはプロが乗る#47 アストンマーティンが接近してくる。
井田もしのいではいたものの、路面が濡れ始めた状況では、やはりプロの巧さが光った。
６周目、井田は#47 アストンマーティンに先行を許してしまう。
とはいえ、雨は降ったり止んだりで、コンディションが良くなると井田のペースが上がり、16周目にはふたたびテールへ。
さらに、26周目には#47 アストンマーティンをオーバーテイクしてみせた。
井田はその後もコースアウトするシーンがあったものの好ペースでラップを重ねていったが、43周で好調のままスティントを終える。
当初、チームはここで高橋が乗車し、最後は加藤でしめくくる作戦を組んでいたものの、気になったのは雨の予報。
ザッと雨が来る天気予報もあり、急遽第２スティントを加藤にドライブしてもらうことになった。
チームは急な雨に備えてスクラブしたタイヤをキープしていたが、交代した加藤のスティントではなかなか雨が降ってこなかった。
加藤は順調に周回を重ねていたが、総合トップが73周目に入った段階で、馬の背にストップ車両が発生したことからレースはフルコースイエロー、さらにセーフティカーランへと切り替えられる。
レースの残り時間を考えても、ここでピットインし高橋に交代するのが良策。
とはいえ高橋は前日まで大いにドライビングに苦戦していた。
しかし、加藤から交代した高橋は、前日までの研究が実を結んだか好ペースで走りはじめた。
時には１分31秒台に食い込むペースで、42周もの長丁場をきっかりと走ってみせる。
セーフティカー中に給油のみを行うなど対抗策をとってきた#47 アストンマーティンに対し、最終的には１ラップの差をつけてフィニッシュし、シンティアム アップル KTMは第２戦富士に続く連勝を飾ることになった。
しかも今回のレースは、土曜まで不振に苦しんでいた高橋が長いスティントをこなし、フィニッシュドライバーを務める活躍をみせた。
チームオーナーの大活躍による勝利で、チームの士気を上げる１勝となった。
DRIVER COMMENTS
Taiyo IDA 井田 太陽「レースでは序盤、ていねいに抜かなければと思っていましたが、相手の#47 アストンマーティンの織戸選手がうまかったですね。
でもその後、天候も回復したので良かったです。
今回のレースはジェントルマンドライバーが我々も相手もふたりずつしっかり走ったので、面白い、良いレースになったのではないでしょうか。
これで勝てたのは大きいですね。
次戦まで２ヶ月あきますが、良い流れを活かしたいですね」
Hiroki KATO 加藤 寛規「今回のレースでは雨雲が近くにあったので急遽僕がドライブすることになり、セーフティカーのタイミングが来て高橋選手に長い距離を走ってもらいましたが、前日の晩ごはんの時に高橋選手が『長くても走る』と宣言してくれていたので、躊躇なく代われました（笑）。
次戦もてぎも長いですが、今回良い勝ち方ができましたし、僕もふたりのジェントルマンから力をもらっているので、頑張りたいと思います」
Kazuho TAKAHASHI 高橋 一穂「ライバルにもさまざまなことがあったので、ラッキーな部分もあった優勝でした。ただ自分のドライビングとしては、決勝では良かったですが、まだまだ勉強しなければいけませんね。
次戦はもてぎとなりますが、割と向いているコースですし頑張りたいです。
ただウエイトハンデも増えていますから、とにかく取りこぼししないようにしたいです。
ドライビングでも相手に負けないように頑張らなければいけません」
Hiroki YOSHIMOTO 吉本 大樹「木曜から気温、路温が高いなかでしたが、クルマは好調でした。
レースでは井田選手が難しい状況で順位を戻すなど力強い走りをみせてくれました。
また加藤選手がマージンを作ってくれましたし、週末あまり調子が良くなかった高橋選手が好ペースでしかも長い距離を走ってくれたので、驚きましたし良かったですね。
今週末はサポートに徹していましたが、次回は自分も走りつつ良いサポートも続けていきたいですね」
Round.3 RESULTS
