ENEOS スーパー耐久シリーズ Powered by Hankookの2022年シーズンも残すところ2戦。
第5戦もてぎで嬉しい優勝を飾り、僅差ながらチャンピオン争いでもトップに浮上したGrid Motorsportは、第6戦の舞台である岡山国際サーキットに乗り込んだ。
ツイスティなコースで、今回は第3戦SUGO以来ひさびさにグループをふたつに分けての3時間レースとなる。
そんな一戦に向け、チームはマーティン・ベリーをAドライバー、Bドライバーに前戦からチームに加わったショーン・トン、そして岡山は自身の得意コースである高木真一、そして山脇大輔の4人で挑んだ。
チャンピオン争いで首位に立ったとは言え、その差はわずか0.5ポイント。
さらに第5戦での優勝により、合計80kgのウエイトを積む。
僅差の岡山では大きな負担にもなるが、それでもタイトル争いを優位に運ぶべくレースウイークに臨んだ.
October 13-14 [THU/FRI] Fine / Dry
Practiceこの日は高木が別の仕事で参加できなかったが、3人のドライバーがステアリングを握っていった。
翌10月14日(金)も晴れ。
この日から高木も合流し、午前9時30分からスタートした専有走行1回目を皮切りに、1時間の走行が3回行われていった。
1回目はトンからベリー、2回目はベリーから高木、トンと交代しながら走行。
最後の3回目は西日が強まるなか、高木からベリー、トン、再び高木と交代し走行を締めくくった。
ただベストタイムは、やはり80kgのハンデが響くようで1回目、2回目ともトップとは1秒ほどのギャップがあった。
苦戦は必至だが、一方でポジティブな要素もあった。
これまでの多くのサーキット同様、初めての岡山走行となったベリーが素早く習熟したことだ。ペースも良く、決勝に向けて大きな武器となりそうだった。
October 15 [SAT] Fine / DRY
Qualify2日間の走行を経て、迎えた10月15日(土)の予選日。
午前のフリー走行を経て午後の公式予選に臨んだが、まずはAドライバーのベリーがアタックに挑んでいった。
「岡山はとても楽しいコースだ。低速もあるし、高速コーナーもあればアップダウンもあるからね」というベリーは、5周目には1分31秒619までタイムアップ。
初挑戦のコースでの予選ながら3番手につけてみせた。
「オートポリスのようなコースは少し苦手なんだけど、こういうコースは好きなんだ。2番手まで0.030秒差だったので悔しいけどね」とベリー。
続くBドライバーでは、「80kgのウエイトハンデがやはり重く感じたけれど、悪くなかった」とトンが果敢な走りをみせる。
4周目に1分30秒036を記録し4番手につけた。
合算では4番手。2列目はハンデの重さを考えれば、悪くない位置だ。
特に今週最大の目標のひとつである、チャンピオン争いのライバルである#62 GT-R、#81 GT-Rを先行することができた。
抜きづらい岡山ではこの位置は大きな手ごたえに繋がった。
今回はCドライバー/Dドライバーの予選が同じセッション内で行われたが、高木、山脇がともにきっちりと走行を終え、レースに向けた手ごたえを得て予選日を締めくくることになった。
October 16 [SUN] FINE/DRY
Race快晴に恵まれた10月16日(日)の決勝日、午前のグループ2の決勝に続き午後1時30分からGrid Motorsport AMG GT3が戦うグループ1の決勝がスタートした。スタートドライバーを務めたのはベリーだ。
4番手からスタートに向け2列の隊列に加わったベリーだが、2番手につけた#23 メルセデスの背後にピタリとつけ、3番手で1コーナーに入っていく。
ただ1周目の競り合いのなか、プロが駆るライバルたちの前にポジションを落とし、6番手で終えることになった。
とはいえタイトル争いのライバルである#62 GT-Rはしっかりと抑え序盤を戦っていった。
しかしそんななか、Grid Motorsport AMG GT3にまさかのドライブスルーペナルティが課せられた。
理由は反則スタート。
前の#23 メルセデスがスタート手順を誤っており、通常と異なっていたことからベリーが釣られてしまったのだ。
ただ、#62 GT-Rもペナルティをとられていた。
ただ16周を終えてペナルティをこなした後、ベリーは好ペースで周回をこなし、32周を終えて再度ピットイン。
高木にステアリングを託した。
フィーリングはいまひとつだったものの、高いペースで高木がラップを重ねたこともあり、順位も挽回していった。
高木は71周まで走りピットインすると、今度はトンに交代し、さらに追い上げを図っていく。
79周目には1分32秒559というベストタイムをマークするなどハイペースでラップを重ねていったが、今回は短い3時間レース。
序盤の#81 GT-Rのトラブルや終盤の#31 RC Fのトラブルなどがあったものの、終盤は大きな順位変動もなく、トンのペースも鈍化。
Grid Motorsport AMG GT3は4位でフィニッシュしレースを終えることになった。
惜しくも表彰台には届かなかったものの、#62 GT-Rを20.921秒差で退けることに成功した。
Grid Motorsport AMG GT3は116.50ポイントでランキング首位をキープ、#62 GT-Rが114ポイントでこれに続くことになった。#81 GT-Rはリタイアを喫したことにより91.50ポイントのままだが、逆転の可能性を残している。
11月に予定される最終戦鈴鹿は5時間の長丁場。すでに開幕戦で一度戦ったレースだが、その時のGrid Motorsport AMG GT3はいまひとつの感触だった。
目標とするチャンピオン獲得に向けて負けられない一戦となるが、チームはすべてを決する最終戦へ向け、もう一度気を引き締め直していく。
Driver Comments
Martin BERRY マーティン・ベリー
ペースは良かったし安定してリズムよく走ることができた。
前に合わせてスタートしたんだけれど、ペナルティをとられたのは驚いたけどね。
最終的に目標だった#62 GT-Rの前でゴールできて嬉しく思うよ。
今まで未知のコースばかりだったけど鈴鹿は走ったことがあるから楽しみだし、チャンピオンを決めたいと思っているよ。
Shaun Thong ショーン・トン
ウエイトが厳しいなかで、チームのみんながベストを尽くして4位を得ることができたと思う。
ラップタイムも軽いライバルに比べて厳しかったけれど、チャンピオンを争う62号車の前でゴールできたのは大事なことだ。
だけど最終戦までにもっと良いペース、パフォーマンスが必要になると思う。鈴鹿は本当に大事な一戦になるね。
Shinichi TAKAGI 高木真一
ペナルティがあった中での4位なので良かったですし、62号車の前でゴールできたのは幸いでしたが、クルマのポテンシャルとしては負けていた部分があったと思います。
追加のウエイトを積まずに最終戦に臨めますが、鈴鹿での開幕戦ではクルマにいまひとつ不安があったので、その点はしっかりと煮詰めて挑みたいですね。
Daisuke YAMAWAKI 山脇大輔
結果は4位ということで、シミュレーションどおりのものだったと思います。次戦はチャンピオンがかかるレースとなりますが、クルマのトラブルやくだらないミスや接触がないように、またレギュレーションの見直しもしなければならないと思います。
内容が良いレースをチームでできるよう、再確認して臨みたいと思います。
Results