2024 全日本スーパーフォーミュラー選手権 第4戦 富士スピードウェイ

2024 全日本スーパーフォーミュラー選手権 第4戦 富士スピードウェイ


第4戦富士大会
公式テスト後の重要な一戦


 

2024年度全日本スーパーフォーミュラ選手権シリーズ第4戦が、7月20日(土)~21日(日)にかけて静岡県の富士スピードウェイで開催された。
本大会は皇族随一のモータースポーツ好きを公言しておられる瑶子女王殿下がご来場になり「第1回瑶子女王杯全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦富士大会」として開催された。
今シーズン開幕からセッティングに苦しんできたチームは、前戦の6月22日(土)~23日(日)に行われたスポーツランドSU GOと、7月7日(日)~8日(月)に富士スピードウェイで行われた公式テストで得られたデータを基に、マシンセッティングを行いレースウィークに臨んだ。

再び暗礁に乗り上げたマシンセッティング

20日(土)の午前に行われたフリー走行では、セッティング変更によるマシンの改善がデータとして確認できたものの、リヤのグリップが不足気味のフィーリングを消すには至らず、三宅選手とチームはピットインを繰り返してセッティングを行った。
しかしラップタイムは出走21台中20番手の順位と決して満足とは言えない結果でフリー走行を終えた。
公式テストの段階で、チームは今回のレースに向けてセッティングの方向性を見定めていた。
ところがレース当日、富士スピードウェイのコンディションは公式テストと比較して、気温、路面温度ともに想定より大きくコンディションが変わってしまった。
こでチームは公式予選に備えてセッティングの見直しを急いだ。
チームは早急に対策を立て、20日(土)の午後に行われた公式予選に三宅選手を送り出した。
しかし、マシンのフィーリングに改善は見られず、公式予選Q1セッションB組に出走した三宅選手のタイムは伸び悩み出走11台中10番手、Q2進出には至らず、21日(日)に行われる決勝レースのスターティンググリッドは出走21台中20番手となった。

掛けにでた21日(日)フリー走行

21日(日)は朝から晴天に恵まれ、20日(土)と比較して更に気温、路面温度が上昇した。
21日(日)の午前に行われたフリー走行で、チームは大きな決断を実行に移した。決勝レース日のフリー走行は、決勝レースに向けてロングランを想定した確認を行うことが定石である。
しかし、公式予選での想定外の結果を受けて、再びセッティング変更を行った。
セッティングの感触を確かめるべくフリー走行に出走した三宅選手は11周を走行し、出走21台中2番手となるラップタイムを記録した。
しかし、このタイムは20日(土)の三宅選手自身の予選結果と比較しても約1秒プラスとなっており、手放しで喜ぶ事ができる結果ではなかった。

コーナリング重視のマシンで挑んだ決勝レース

21日(日)午後の決勝レースに向けてチームは、リヤが不安定 なマシン特性を改善するために、ダウンフォースをより増やす方向にセッティングを変更して、三宅選手をスターティンググリッドへ送り出した。
午後3時7分に決勝レースがスタートすると、三宅選手は1コーナーに向けて果敢な飛び込みを見せ、前方の大嶋選手をパスし、オープニングラップではその順位を守り切った。
しかし、3周目に大嶋選手のオーバーテイクを許し18番手に後退した三宅選手は、順位を挽回するべく大嶋選手に食らいついた。
ダウンフォースを増やすセッティングの効果でコーナーでは大嶋選手の背後まで迫るが、空気抵抗が増えた結果ストレートスピードが伸びず、順位を入れ替えるには至らない状態が続いた。
競技規則により10周終了時点でタイヤ交換のピットストップが可能となり、上位陣は続々とピットインしたが、チームはピットイ ンを遅らせる戦略を選んだ。
この戦略によって、三宅選手は他のマシンとのバトルを避けつつ、ペースを上げることが可能となった。
ここでマージンを稼ぐことで、先にピソトインした上位陣の前に復帰する事を狙ったが、16周目まで走った三宅選手がピソトインを終わらせコースに戻るも残念ながら逆転とはならなかった。
その後も三宅選手は先行するマシンを捉えるべく果敢に攻め続けるが、先行するマシンには一歩及ばず、18位でチェッカーフラッグを受けた。
次回シリーズ第5戦は824日(土)~25日(日)、栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催される。


ドライバー:三宅淳詞コメント

前回のレースではマシンの感触に改善が見受けられたのですが、今回のレースウィークでは再び感触が悪くなってしまったように感じています。
フリー走行と予選の結果を踏まえて、今回の決勝レースではグリップの改善が急務であると考え、ダウンフォースを多めにしてコーナリング重視のセッティングで挑みました。
セッティング変更の恩恵はあり単独走行時には他チームと比較しても遜色ないレベルの速さで走ることができていましたが、他のマシンとのバトルとなるとコーナリング重視のセッティングによる弊害が出てしまい、コーナーで先行するマシンに迫ったとしても、ホームストレートで前に出られないという状況となってしまいました。
次戦のモビリティリゾートもてぎはオーバーテイクが難しいサーキットの1つなので、予選で1つでも前のポジションを獲得することが重要になります。
次戦の予選では1発の速さが引き出せるようなドライビングをしたいと考えています。

監督:道上龍コメント
20日(土)予選の結果を受けて、今回の決勝レースには現状チームで行うことができる改善を可能な限り実施して挑みました。
しかし、マシンのリヤがコーナーで不安定な挙動になってしまう事象に対して根本的な解決ができず、他車よりもダウンフォースを増やしたセットアップで出走せざるを得ない状況でした。
そのような状況下で三宅選手はドライビングスタイルをマシンに合わせて不安定な挙動を抑えつつ、先行するマシンと同等以上のペースを維持しておりましたが、コーナリング重視のセッティングとしたことでストレートスピードがのびず、18位でレースを終えることとなりました。
我々はタイヤ交換を遅らせる作戦を選択したので、前方に車両がいなくなったタイミングで更に良いタイムを出せていれば逆転も狙える状況でしたが、惜しくも及びませんでした。

アドバイザー:塚越広大コメント

公式テストの結果を踏まえてセッティングの方向性を決めてレースウィークに挑みましたが、フリー走行、予選と他チームからの隔たりを感じる結果となってしまいました。
決勝レースに向けて様々なセッティングをトライする中で、マシンの感触に劇的な改善はみられないものの、個々のデータでは改善が見受けられたので、良い部分を取り入れながらマシンを仕上げました。
その結果として、前方を走る集団よりも単独でのラップタイムは速いペースで走れるようにはなりましたが、他のマシンとのバトルとなった場合、マシン特性の違いでオーバーテイクが難しく、大きく順位を変えることはできませんでした。
今シーズンは苦戦が続く中で、今回は前方を走るグループと遜色ないレベルで周回ができたことは大きな成果だと思います。
今回の良かった点、改善点の洗い出しを行い次戦に挑みます。

チーフエンジニア:新井凌コメント

公式テストでの良い部分を取り入れ万全な状態で今回のレースウィークに挑みました。
しかし、いざ走り出 してみるとマシンの状態は改善されているにも関わらず、ラップタイムには反映されないという状況となってしまいました。
マシンの特性としてリヤが滑りやすい状態だったので、三宅選手はタイヤヘの負荷を下げ るドライビングスタイルに切り替えた結果、決勝レースではタイムが大きく落ちることなく、ペースが維持できたと考えています。
次戦のモビリティリゾートもてぎは富士スピードウェイと性格が異なるコースですが、今回のレースで得られたデータを基に、より戦闘力が高いマシンに仕上げたいと考えています。


Round.4リザルト



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